REPORT

グランプリ：「パルクアン」「ミリナ」「ディッシュ」の3社協業
先の3月展に続くグランプリとなり、2連覇に輝いた。今回は「ディッシュ」が加わり、3社の協業となって提案が広がった。
共通の思いは「これからの商業を作る」、「デジタルでは体験できないプロダクト、体験の創出」。「ファッションを軸にしたリアルな空間」をテーマに、店舗を運営し、企画業務も手掛けるキュリアスデザインがディレクションし、ブース全体をプロデュースした。分野別の垣根を超えるために１つの店を想定して、ファッションで一体感を打ち出した。その中でそれぞれが「新機軸の床（売り場）作り」を目標に企画や MD、ビジュアル発信、演出を見直した。今回展で「方向性が見え、軸が固まった」として今後は仲間を増やしていく。

特別賞　燦セラ
400 年の歴史を持つ陶磁器の波佐見焼で知られる長崎県波佐見町のセラミック加工メーカー、燦サラが披露したのはカラフルでエコロジーなセラミックコーヒーフィルターだ。
「水と空気をきれいにするものづくり」を掲げる同社の新商品で、ペーパーフィルターはコーヒー豆の旨味や香りを吸着してしまうが、多孔質のセラミックでは旨味や香りが際立ち、味がまろやかだ。ドリップに手間がかからず、何度でも使えるため経済的だ。紙フィルターの廃棄ゴミ削減で地球環境にも優しい。
ブルー、イエロー、ブラウン、ピンク、ブラックなど6色展開の他にインバウンドや海外輸出向けの富士山柄も揃える。体験・実感を強調するため試飲に力を入れ、分かりやすいブース演出も高評価につながった。価格はワンドリップ3,500円、5,450円。

Eサロン・アワード「ジャーニー＆ジャージー」（カネマサ莫大小）
1964年の創業で、当初はすべてが吊り編み機だった和歌山の老舗ニッターのオリジナルブランドだ。企画コンセプトは「解き放つ服」。2010年前後から未来を見すえて特注のハイゲージに特化して設備投資を行ってきた。その強化策の一環としてブランドを立ち上げ、パリの展示会に出て海外６カ国に卸先を開拓するなど実績がある。ハイゲージニットのリーディングがカンパニーとして、その技術力、生産力を生かして生地や製品で業種業態・分野を超えてＢtoＢでの拡大を目指している。